戦場のピアニスト

2002年に公開された戦場のピアニスト
ウワディスワフ・シュピルマンの実体験です。
正直、戦場のピアニストを観て後悔しています。
偽善者と思われたら嫌ですが
自分の中の悲しみと怒りが同時に出てきて
戦争は憎しみしか生まない愚かなことだと思ってしまい
人は何で権力と武力を欲しがり
自分を大きく見せたくなるんだろう?そんな気持ちにも
なってしまいます。

今、社会問題になっている
宗教問題、人種差別、安保法案などが、
戦場のピアニストを観て
思い浮かぶのは当然だと思います。
ウワディスワフ・シュピルマン(Adrien Brody)が
ラジオでピアノを弾いている場面からスタートして、
綺麗な音色だと思っていた瞬間に爆発が!
ナチスドイツからの爆撃です。

しくじり先生の特番で、オリエンタルラジオの中田がヒトラーについて話していました。
勉強が出来ず中学校を退学し、美術学校の入学を希望して受験したけど
不合格となりホームレスにまで陥ったヒトラーは、ナチ党の偉いさんにトークが気に入られ演説を行えばだんだんとファンが増え勢い良く出世し独裁者になったヒトラーでした。

何でヒトラーがユダヤ人を憎むのかまでは放送されてませんでしたので、こちらで簡単に。

ヒトラーはキリスト教信者で熱心に信仰していましたが、
ヒトラー自身がユダヤ系で、そのことを隠すためだとも
言われています。ユダヤ人の人は経済的に恵まれており医者、教師、芸術家などが多く、
そこから来る嫉妬、劣等感から憎むようになったなど色々な説があります。また、ナチスドイツによって大量に殺害されたのはユダヤ人だけではありません。
障害者(知的、精神、依存症)、子孫を残さない同性愛者、戦争への参加を拒否、ヒトラーの考えに賛成しないエホバの証人、ドイツ人であってもユダヤ人というだけで強制収容所送りになることは普通だった時代。


テメェの価値観だけで人殺しをやってもいいのかと怒りが出ます。

自分が気に喰わないことですぐに処刑してしまうデブの独裁者もいますが、その国にも強制収容所があって脱国した人は、多いとメディアで目にすることがよくあります。


戦場のピアニストでは
ウワディスワフ・シュピルマンは家族と絶滅収容所に送られることになりました。
しかし、ユダヤ人ゲットー警察署長によって運良く逃げ切ることが出来ました。その後、ゲットー内で強制労働を課せられる日々。

シュピルマンはラジオ、レストランでピアニストの仕事をしていたので、肉体労働は慣れないのは当然。耐え切れずに倒れてしまい仲間の配慮で、倉庫番や食料調達の仕事をすることになりました。


ドイツがユダヤ人抹殺を計画していることと、生き残ったユダヤ人たちが蜂起の準備をしていることを知った
シュピルマンは自分の仕事の立場を利用し武器の調達などを行っていました。

ある日、シュピルマンは食料調達のため街に出掛け
市場で友人のヤニアを見かけ、彼女を頼ってゲートをヤニナとその夫アンジェイが加わる
反ナチス地下活動組織に匿われ、ゲットーのすぐそばの建物の一室に
隠れ住むことになりましたが隣の住人にユダヤ人だとバレてしまい必死に逃げアンジェイに手渡されていたメモに書かれていた住所の家を訪ねると、姿を現したのはドロタ。
シュピルマンはドロタの夫ミルカに匿われ、ドイツ軍の病院の向かいにある隠れ家を提供されますが、支援者からの食料差し入れが滞り、内臓疾患で死にかけたこともありました。


1944年にポーランド人の抵抗勢力は
ワルシャワ蜂起を起こしたのですが蜂起もナチスドイツに鎮圧され、ワルシャワは報復として完膚なきまでの破壊を受けることに。廃墟の中で
完全に孤立無援となったシュピルマンは廃墟の中で食べ物をあさる日々で、缶詰をみつけて開けることに苦戦していると
ドイツ軍陸軍大尉ヴィルム・ホーゼンフェルト(Thomas Kretschmann)に見つかってしまいました。
ホーゼンフェルトはシュピルマンに色々
質問をし、職業は聞かれたシュピルマンは
「ピアニストだった」と答え。
ホーゼンフェルトはシュピルマンを
ピアノの前に連れて行き
何か弾いてみろと命じます。この出来事がシュピルマンの
命に繋がった出来事になったと言えると思いました。
ホーゼンフェルトはシュピルマンの見事な
テクニックとドイツの敗退を予想していたので、
密かにシュピルマンに食料を差し入れ
もうすぐ戦争は終わることから頑張れと
励ましの言葉を掛けることもありました。食糧以外に
自分のコートをシュピルマンに提供しました。

戦争が終わり
立場が逆転してドイツの軍人は
かつて、自分達がユダヤ人を捕らえられていた
場所に集められ
生き残ったユダヤ人達に
汚い言葉を飛ばされるばかりでした。

その場所にホーゼンフェルトもいて
ユダヤ人にシュピルマンのことを知っているか
大声で問いかけていました。

ホーゼンフェルトの心に
シュピルマンのピアノが残って証拠だと言えるでしょう。


ラストはシュピルマンがオーケストラをバックに
ピアノ演奏をしているシーンですが
電子楽器では表現することが出来ないほど
豪華で艶のある音色でした。

このラストがなければ
戦場のピアニストは成立しないと思えました。
冷酷非情で殺人を面白おかしくするシーンは
重たいです。独裁国家を問題として
国際社会はもっと重点的に話し合うべきです。

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