『キリング・フィールド』 原始共産主義と資本主義

シドニー・シャンバーグの体験を基き実話を映画化した作品がキリング・フィールドです。『キリング・フィールド』という映画は、カンボジア内戦中にポル・ポト率いるクメール・ルージュが優勢してしまいアメリカ軍が撤退しますが、ポル・ポトという独裁者の思想を調べているうちに共産主義というよりマルクス主義だと思う点が多々ありました。今回は、キリング・フィールドという作品を振り返りながらポル・ポトという男の生涯について個人的な意見を述べるだけです!
因みに、『消えた クメール・ルージュの真実』が上映されていますが、カンボジア内戦にポル・ポトという男を深く知りたいのであれば、観る価値はあると思います。

ポル・ポトという男の生涯の前に、なぜ原始共産主義思想が怖い思った点ですが、ポル・ポトは国民に農業だけをやっていたらいいという原始的な考えでした。現金を持たなくてもいいという考えでだけでなく子供に教育を受けさせると余計な思想を植えつけるという考え方で、最低限の教育も必要なく農業だけやっていればいいという極端な思想だったんです。共産主義、社会主義の思想の人もこれには反対する人がいるのは当然ですね。何かドラゴンボール超に出てきたザマスみたいな奴ですね!
ドランボール超のザマスは、自分だけしか信用出来ない男で、人間が存在しない世界が美しいという思想になり人間ゼロ計画を実行しますが、呆気ない結末で幕を閉じてしまいます。ポル・ポトとザマスが共通している点は、自分しか信用出来ないというとと、呆気ない最後だったということです。あんだけやりたい放題、自分の考えを押し付けて人々が恐れていたのに本当に呆気ない。

カンボジアがフランスから独立した時代、共産主義・社会主義のロシアと資本主義のアメリカの冷戦だからです。この時代、アメリカとロシアが戦争をしたら地球が潰れるとか世界滅亡とか言われる恐ろしい時代でした。カンボジアは共産主義として歩み出しロシアは安心しますが、アメリカはカンボジアが共産主義になってしまうと隣国まで共産主義国になるのでないかと恐れてしまいます。

ポル・ポトは偽名です!
本名はサロル・サルです。ポル・ポトと名乗りだしたのはクメール・ルージュに入ったぐらいからだったと思います。記憶が曖昧・・・ポル・ポトは裕福な農家の家で生まれ名門の小学校、中学校と進みますが、高校で勉強についていけなくなり、大学に進学することが出来ず工業専門学校に進学します。ポル・ポトが高校生の頃からエリートに劣等感を覚えますが、フランスの留学します。しかし、そこでも彼は周りの人と話がついていくことが出来ず、スターリンの共産主義思想に興味を持ってしまいます。学歴、才能に関係なく、全員が平等というこのスターリンの共産主義思想にのめり込んだままカンボジアに戻るとフランス支配から脱し、自分がカンボジアのトップになりたいという野心を抱き始め、1953年にフランスの支配から脱しましたが、カンボジア国王は、ポル・ポト率いるクメール・ルージュという過激派組織を恐れ国外追放していまします。
国外追放されたポル・ポトは目立たない場所で、農業をして生活をします。しかし、北京で毛沢東の共産主義思想を勉強して思想がエスカレートしてしまいます!
過激派組織の人間が過激な思想を勉強したら過激になるに決まってます!

自分で自分をマインドコントロールしてますから!
資本主義、共産主義のいいところだけ取り入れた政治経済を目指せばいいと思う人が多いと思いますが、現実はそうではありません。自分の考えを主張するばかりで、エスカレートして過激派と呼ばれる人間になることも。山口二矢(右の考え)、重信房子(左の考え)などもそうだし、今月に死刑が執行されたオウム事件の連中がいい例です。
ポル・ポトの場合は、頭が悪いワケはありません!
名門と言われる小学校、中学校に進み高校で勉強についていけなかったパターンはよく聞きますが、最低限以上の教育を受けていたことになります。フランスに留学しても自分の居場所がないからスターリンの共産主義思想にのめり込んで、過激派になったのでしょう。

カンボジア国王のシアヌークは、カンボジアはフランスの支配国だっため独立を考えていましたが、武力ではフランスに勝つことが出来ないからということで、カンボジア独立の正当性を国際世論に訴えることで、1953年にフランスから独立することが出来ました。共産主義国家として歩みだす選をしたシアヌークですが、クメール・ルージュという過激派共産主義団に恐れていました。
カンボジア国王のシアヌークは、クメール・ルージュなどの過激派組織に恐怖を覚えて国外追放され、シアヌークの国軍から逃げながら貧しい農村部で隠れて生活をしていましたが、教育を受けることが出来ない貧しい人を大量に見かけたことをきっかけにとんでもない思想に走ります!

貧しく生活をしてる農民が普通で、宗教、経済、科学などについて話をしている人の方がおかしいみたいな発言をしてしまいます。ここでクメール・ルージュはシアヌーク軍隊とゲリラ戦争となります。
そんな中、共産主義国家となったカンボジアに危機感を抱いたアメリカは、首相のロンノル将軍に支援をすることになります。ロンノル将軍が隠れ資本主義者だからですね!
アメリカの支援を受けたロンノル将軍は、シアヌークがカンボジア不在時に政権を奪取して、カンボジアはロンノル将軍の支配下に置かれ、アメリカは国内にいる共産主義思想を持つ者を見つけ出すため、ポル・ポトが隠れていた農村部に大量の空爆を仕掛けます。これにより100万人の農民が居場所を失いました。こんなことになったらロンノル将軍の支持率は落ちるばかりで、ポル・ポト率いるクメール・ルージュは国民の支持率を稼ぎまくりです!この時点で、ポル・ポトがクメール・ルージュのトップでもありました。

ポル・ポトが、なぜクメール・ルージュという過激派組織のトップになれたかというと、共産主義者がシアヌークによって国外追放された時にポル・ポトが、トップを名乗り出たからです。勝手にトップを名乗り出ただけだろ思う方もいるかもしれませんが、狙われている組織のトップだと一番狙われ易い立場なんです。そんな立場に自ら名乗りあげる人がポル・ポトを除いていなかったと言われます。自分の野心と多少の知識と教養があったからクメール・ルージュ内でトップになれたということです。

共産主義思想の人を国外追放して、ロンノル将軍に政権を奪取されたシアヌークは、クメール・ルージュと手を組むことになります。シアヌークは何を考えてんだ?と思いましたが、ポル・ポト率いるクメール・ルージュという組織が、過去に自分が国外追放した組織と知らなかったということと、ポル・ポトがサロル・サルから名前を変えたことを知らず、色々なことに気付くことが出来なかったんです。ポル・ポトは国外追放したシアヌークを憎んでいるのは当然ですが、国王が手を組もうと言ってきたので利用することになります。
クメール・ルージュは、国王がいる組織というだけで国民から支持されますが、アメリカに支援されているロンノル将軍と戦争することになりカンボジアが勝利します。そこからカンボジアの政権はシアヌークではなくポル・ポト!因みに、ポル・ポト政権が崩壊してからシアヌークが、再び政権を握るようになりました。

ポル・ポトが政権を握ってからカンボジアを良くするためという理由で、学者や技術者を集めて銃殺されたり、宗教家や教師は崖から突き落とされるだけでなく歌手を緊縛状態にして石を投げて処刑という極悪非道なことをします。
国の文明のレベルが上げれば経済発展します。例えば、世界で一番最初にテレビゲームを開発した国は日本で、マリオというキャラクターも日本で生まれたのにマリオはアメリカのキャラクターだとか言う人がいるんですわ・・・(苦笑)誰のことをかは想像に任せます。話が脱線したらダメなので、元に戻すとファミコン、スーパーファミコン、それを超える100メガのネオ・ジオをSNKが開発したりしたから、ストリートファイターと餓狼伝説という人気ゲームが映画化して日本のGDPはアップしました。もし、日本が共産主義社会だったら、どうなってたことでしょうねぇ・・・

ポル・ポトは国の文明レベルを上げたいのではなく文明レベルをダウンさせることが目的でした。階級、技術、知識がない時代が一番素晴らしいという原始共産主義思想で、カンボジアは農業だけをすればいいという極端な思想を国民に押し付けてしまいます。そのため、国民は全員農民となり私有財産は全て没収、貨幣も廃止だけでなく娯楽も恋愛も禁止になります。
ポル・ポトは特別な才能が何もなかった男なので、本当に何の差もない平等な世界を作ろうとしたかもしれませんが、ポル・ポトが才能をある人間に対して憎悪があったからこんなことをしたんだとも言われます。中学までは順調だったけど、高校から勉強についていけず、大学受験に失敗したコンプレックスを持ちフランスで共産主義思想にハマってしまい極端な考え方しか出来なくなったんでしょう!
他にも貧しい農民と生活をすることで、農業だけでも生活することが出来るから、原始共産主義思想になったなど色々言われています。

ポル・ポトの原始共産主義思想は、悪い方に進むばかりでした。
本を読める人は文字が読めるということで処刑、腕時計をしてたら技術者ということで処刑と国民にとっては理不尽な人間だったはずです。子供に教育をしたら違う思想を植えつけるから処刑、医療技術があっても処刑、娯楽を楽しんだ農業をしていないから処刑、恋愛は風紀を乱すから処刑とか突っ込まれる点が多いですが、ポル・ポトの原始共産主義思想を国民に押し付けるのは、これだけじゃありませんでした。

手が綺麗ということは農業をしていないから処刑、眼鏡をかけていたら知識人と見做されてしまい処刑、容姿が他の人よりいいと原始共産主義に反するというだけで処刑と自分の考えを徹底的に国民に押し付けてました。昼飯食うから手を洗ったら手が綺麗になります。それでも処刑されたり、勉強して目が悪くなったとかではなく生まれ付き目に不自由があって眼鏡がないと生活出来ない人も理由も聞かずに処刑とか障害を持って生まれたらその子を特別扱いして農業をしなくなるとかそんな発言をしてた話も聞いたことがありました。イケメン、美女というだけで処刑するポル・ポトは、自分の容姿に自信がないということを世界に言ってるようなもんです!

自分の理想ばかり追い求め原始共産主義国家となったカンボジアは、国の運営に行き詰まりますが、ポル・ポトは国内にスパイがいるから国の運営がダメになったとかアホ丸出しなことを言い出し、スパイを探すために13歳以下の子供の兵士を大量に用意します。子供を兵士に選んだ理由は、子供は原始共産主義以外の思想に染まっていないというだけで、原始共産主義を素晴らしいとポル・ポトに洗脳されていますから!

そんなことをしたらカンボジアから大人の数が激減!
ポル・ポト政権が終わった当時のカンボジアの85%が子供だったので、それが今でも引き継がれており、人口の年齢をグラフにすると見事な三角形!日本なら逆三角形!
どっちも極端な割合なのでビックリするでしょう!

国民の怒りは爆発!ベトナムと手を組んで、手を組んでカンボジアを攻めます。ポル・ポトの軍隊はお子様しかいません!
原始共産主義を押し付けて子供にロクに訓練もお子様軍隊が、まともな軍事訓練を受けている大人だけのベトナム軍に太刀打ちするなんて無理です!
ポル・ポト軍はベトナム軍に敗北しました。

ポル・ポトはこの世を去った人物ですが、彼の意思を受け継いでクメール・ルージュが、まだ生きているということが問題視されています。オウム事件と似てますね。自分の考えを押し付けるとことかが。松本元死刑囚は、死刑執行されてこの世にいない人物ですが、彼の意思を引き継いで後継団体のアレフが生きているので、どうなることやら・・・たまに共産主義を目指した過激派組織・日本赤軍の連中は、日本を共産主義ではなく原始共産主義にして、自分達に都合が悪い人物は、ポル・ポトと同じようなことをやってたかもしれませんね。私の思い込みですけど!ついでに今でも日本赤軍の意思を引き継いでる若者がいるということも恐ろしい話です。

参考文献:映画・キリング・フィールド、経済学者に騙されないための経済学(著者・高増明)、福祉価値の転換(著者・坂東慧)

writing by:店員A

コメント