『マザー!』日本で公開中止になった映画

こんにちは!
店員Bです。(●^o^●)

今回ご紹介するのは日本で公開中止になった映画
『マザー!』です。

この映画をみて単純に思った事は
「なぜ妻の話を聞いてあげないんだ?」
「妻は穏やかに暮らしたいだけなのにそれを潰すなんて可哀想」
「最悪や・・・」
でした。

中には不愉快度100%といった意見も・・・。

しかし意味がわからないというか難しいお話で。
これは考察がないとスッキリしないなといった話でした。

監督の訴えたかったことを今回調べてみると
「なるほど・・・」
と納得のいく考察がいくつもありました。


まず、人物は全て聖書のメタファーです。
家:楽園

妻:地球

夫:神
(作家:創造者)

夫が大切にしているクリスタル:禁断の果実

訪問して来た男:アダム

訪問して来た男の妻:イヴ

訪問者の長男:カイン

訪問者の次男:アベル

生まれた子ども:イエス・キリスト

ファンやマスコミ:信者


といったように置き換えています。
これを見るとかなり意味がわかりやすくなります。
そしてさらなる衝撃が。



妻(地球)は家(楽園)を修繕していた。夫(神)は作家(創造)をしていました。
しかし夫は作家としてスランプに・・・。

そこにやってきたのが訪問者の男(アダム)です。

・夫は妻に許可を取らず男を家に招き入れます。
【ここで神は地球が作り上げた楽園の中にアダムを招き入れます。】

夫と男は仲良くなり、今度は女の訪問者(イヴ)がやってきます。
夫はまた、快く女を招き入れます。しかし妻はそのことを不快に思います。

・夫が訪問者の女を家に招き入れます。
【神は地球が作り上げた楽園にアダムとイヴを招き入れた事になります。】

・男と女が夫の書斎にあるクリスタルに触り壊してしまいます。
【アダムとイヴが禁断の果実に手を出したことを表しています。】

直後男と女が性行為をしているところを妻は見てしまいます。
その後夫は男と女を家に置いておくことにするが、書斎には木の板を張り付け、二度と入れないようにします。
次に男と女の息子二人が喧嘩をしながら家に押し入ってきます。
どうやら遺産相続の争いのようでした。

・その争いの結末。それは兄が弟を殺してしまうといった結果でした。
【アダムとイヴの息子であるカインとアベルによる人類初の殺人】

なぜか夫と妻の家で行われる弟のお葬式。
男と女の親族などが集まってきます。

親族たちは家でやりたいほうだいします。妻はそれを注意しますが聞きません。

・妻が止めるが、好き放題する親族のせいで水道管が破裂。妻はそれに激怒し
男と女、そして親族もみんな家を出ていきます。
【大洪水で地上に増えた人類を滅亡させた】

妻と夫はその後喧嘩をするが結果的に性行為を行います。

・次の日何故が妻は「妊娠した」と確信します。
【夫(神)と妻(地球)の間にできた子どもはイエス・キリスト】

それを聞き夫はスランプから脱出。すぐさま詩人(作家)である夫は詩を書き始めます。
妻はそれを見て
「邪魔をしたくない」

「世界の終わりを片づけてくる」
【これはどうやら新聖書につながるようです】

とその場を後にしようとします。

そうして妻の願っていた穏やかな生活を送ることができるようになりました。
妻のお腹は大きくなり、夫は書斎で作家活動。平和な日々。

そして、夫が書いた詩はたちまち大ヒットします。

しかしながら、それに対しても不安を感じる妻。
妻の不安は的中します。



なんと家に、ファンやマスコミ(信者)のなどが押し寄せます。
本当に信者のように崇められる夫。
【神を崇める信者の様子を描いている。】

そしてまた、ファンやマスコミは家に勝手に踏み入り、好き勝手し放題。

喧嘩を始め、盗みを働きます。
妻は「みんな出てけ!!」と叫ぶもファンやマスコミは言うことを聞きません。

一方夫は崇拝されることが気持ち良いのか、ファンに拇印のようなものを押していました。
それにファンは大喜び。ファンは我先にと夫に願い出ます。

妻はそれを止めようとしますが、夫はやはり聞いてくれず、
妻は叫びます。

ついにはファン達が夫を崇めるダンスの様なものまで始めます。
【神を崇める民族のダンスのように見えました。】


ぞくぞくと集まってくる人々に呆然とする妻
妻は家を出ることを決意します。

家を出る道中、目の当たりにしたのは、さらに悪化するファンの夫への崇拝。

妻が出ていこうとすることを夫は止めます。
その時、
妻が悲鳴をあげます。赤ちゃんが産まれるといったサインです。
そんな中でもファンや訪問者は好き勝手し放題します。

しかし、警察がやってきて、妻はほっとしますが、なぜか妻と夫を拘束しようとします。
夫は捕まり、妻は家の中を逃げ回ります。

・家の中を逃げまどう妻の目の前に広がるのは、ファンや訪問者達の盗みや暴力、破壊、鳴り響く銃声、監禁、そして戦争、デモ、テロ。
後からきた訪問者は現代の人間を表しており、盗みや破壊、暴力、監禁、戦争、デモ、テロなどは現代の世の中を表しているようです。

夫と妻はようやく再会を果たします。
妻は「家から出たほうが安全だ」といいますが、夫は「外は危険だ」と言い、
また話を聞きません。


家の中をさまよう夫と妻。
家の中には戦争で生き残った貧困者達で溢れかえっていました。
【こちらも現代の世の中を表していますね。】

貧困者達は夫にすがりつきお金をねだります。
夫は貧困者達を蹴散らし、書斎へ向かいます。


夫と妻は書斎に辿り着き二人きりになります。
そこでついに男の子の赤ちゃんが生まれます。
【イエス・キリストの誕生です。】

よろこぶ夫と妻。

ふと外が静かになったことに気付く二人。

書斎のドアを開けるとバスケットの中に果物が入っていました。
【おそらく神への捧げ物かとおもわれます。】


妻は、夫に外にいる人達を帰らせてくれと懇願します。
夫は少しためらいますが、「わかった」と書斎を後にします。

戻ってきた夫に妻は「(ファンや訪問者は)出ていくの?」と聞くと
「赤ちゃんが見たいって」と言います。

妻は「帰してくれ」と何度も訴えますが夫は聞きません。
むしろ「帰ってほしくない」といいます。

赤ちゃんをみんなに見せようとする夫。
妻は夫に渡したくないと拒みます。

夫を警戒する妻。

しかし、妻がふと眠ってしまった隙に夫は妻から赤ちゃんを取り上げ
ファンや訪問者へ見せにいきます。

なんと夫のファンたちいいえもうもはや本当に夫の信者は赤ちゃんをみんなで食べてしまったのです。
※この赤ん坊のカニバリズム的要素も日本公開中止の原因かと思われます。

妻はついに激怒。信者をガラスの破片で次々と傷つけていきます。
しかし信者に反撃され、罵声を浴びせられ、暴力に合う妻。



そこへ助けに来る夫。
妻は「奴らを殺して」と懇願するも、夫はまた言うことを聞いてくれず、
「赤ちゃんの死は全てを変えてくれる。」
「僕達、見つけなければならない彼らの許し方を」
となぜかまだ信者の味方をするのです。


【夫は神なので優しい心を持って人間達に対応し、願いを叶えます。】
妻は夫の言葉に
「言ってる意味が判らない」
「いかれてる」
とショックを受けます。
【妻は地球なので地球は人間から被害を受け、悲鳴を上げている。】

妻は激怒し、叫びます。
【地球の悲鳴】

と、同時に家はひび割れ、妻は「人殺し!!」と夫も傷つけます。

妻はライターを持ち家に火を放とうとします。

夫は「愛してる」というと
妻は「私を愛してなんかいない、私に愛されるのが好きなだけ」
と返します。
妻はさらに「私は全部上げたのにあなたは人にあげた」
と言い放ちライターを床に落とします。

家は大爆発。

家の中にいた人たちはみんなまきこまれ死にます。
【地球温暖化など未来の地球と人間の末路を訴えているのでは?と思いました。】

丸焦げになった妻を抱きかかえる夫。
夫の姿は、いつも通りでした。

妻は「あなた何者?」と聞くと
夫は「僕は僕だよ」と答えます。

妻は「どこにつれてゆくのですか」と聞くと
夫は「はじまりだよ」と答えます。

夫は妻の胸からあの大切にしていたクリスタルを取り出し、
もう一度台座に置きます。
するとみるみる家は元に戻っていきます。


そして別の女性がベッドから起き上がってきます。
【新たな地球のはじまりです】


これが『マザー!』です。なんだか説明しがたい部分も多々ありまして、
本当考察とかを参考にしながら自分の考察を交えて書いてみました。

夫が神だからという理由であんなに受け入れまくってたんだ・・・。
妻は地球だから自分の身や自分の作り上げた楽園を守りたかったんだ。

とわかるとイライラしなくもないですが、夫にはとてもイライラしました。(笑)

衝撃的すぎて、妻が可哀想過ぎてなんだかもう見てられないといった気持ちでした。

しかし、これを書いていて、今も地球は悲鳴を上げているんだろうか・・・と考えさせられました。

宗教的なあれこれはわからないですが、実にすばらしいメタファー作品だったと思います。しかしながら、過激な表現が多かったため、もっと誰もが観ることのできるような表現の作品があれば、色々な層の方に訴えかけられたのかなと思いました。

胸糞悪い気分になること間違いなしの映画ですが、もしよろしければ観てみてください。


Writing by:店員B

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