『MOTHER FUCKER』 好きなことをして生きている人は好きな事だけしているわけではない

お久しぶりです。店主のナナイロです!!

先月の某日、
弊社の本部のある名古屋での夜。

誘われて『MOTHER FUCKER』という映画を観に
豊田市の「橋ノ下舎」というイベントライブスペースへでかけました。
いやあ、初めて来ました豊田市。
本部のある名古屋市天白区より乗り換えなしで便利♪

駅前の100円均一でお買いものをして
いざ、「橋の下舎」へ。

長屋?古民家?をリノベーションした建物で
狭いけど味がある!
ナナイロも自主映画に係わっていた時は様々な場所での上映会にお邪魔しましたが、
この手の座敷はくつろぐんよね^^

ほっこり。

いや!このほっこり空間に
ゴリゴリした大人達がひしめいている。
多分、人生あれやらこれやらでこうなっちゃった人が
ニコニコしてCURRY MEETING CREWの提供するアジアンカレーを食べている!

何一つマッチしない。
しかし、マッチしないはずのものが交錯する場というものに興奮を覚える性質なので
何だかここにいるだけでワクワクしてしまう。
京都で上映している時から気になっていた映画『MOTHER FUCKER』は
音楽レーベル「Less Than TV」の代表とその周辺のドキュメンタリー映画だということは知っていた。

多分、日本でハードコアのイベントやライブ、あるいはインディーズ活動をしていたら
一度は目にしたことがあるかもしれない「Less Than TV」

ナナイロもその名前はよく知っていたが、
その代表が誰でどんな人たちが居て…というのはそこまで興味がなかった。

でも、長くインディーズにこうして消えずに活動をし続けているというのは
何かしらの理由があるに違いない!とは感じていて、、
そのヒントになるものがここに隠されているのではないか?と思っていた。

それに、今回の上映にはライブも付くし、トークも付く!
橋ノ下舎も活動を知れば知るほど触れるものがあるし!という事で
ここまで来ちゃいました。
ドキュメンタリーなので、ストーリーというのはありませんが、
簡単に内容をいうと↓↓こんな感じ
「現在ではフォークシンガー“FUCKER”へと華麗なる転身を果たし、“部屋着”感の増した谷ぐち順、その妻でありバンドマンであるYUKARI、一人息子共鳴(ともなり)、地道なレーベル運営、子育てと音楽活動、谷ぐちの日常である障がい者の介助、そこに集う多くの仲間たち、そして開催されるライヴイベントの数々…」(公式HPより引用)

内容が多すぎてね、焦点が絞れない感じもあります。
ただ、それが良い効果を産んで、色んな人が鑑賞できる作品になっています^^
それは、色んな人の様々な事情がこの映画のどこかの要素に似てくる可能性が高いから。

ナナイロもこの映画を観ながら色んなことを考えました。
ほとんどは過去の事ですが、障がい者の介助の部分では現在の立場的なものも含めて
バンドマンって「この部分」を放っておけない人が多いし、関わり方が上手な人が多いなぁと思ったり。

それで、ふと…
「好きなことをしている人は好きな事だけしているわけじゃないんだな」と当たり前だけど忘れがちな事を思い出したのです。
しかも、「長く好きなことを続けている人」や「好きなことが仕事になちゃった人」は特に
恋愛、家族、地域という人間関係や生活やお金といった色んな「好きなこと以外」が降りかかってきます。
自分という人間を生きる時に「すきな事」は絶対に必要なのに
社会はまずそれから手放せ!という要求をしてきます。
バンド?芝居?映画??ゲーム?何言ってんの?仕事は?生活は?家族はどうすんの?
その言葉に負けてつい「すきな事」を手放してしまう。

「すきな事を手放す」それを挫折と呼ぶのか
あるいはもっと悪意をこめて「すきな事は邪魔だ」と言い切るのか、
長くやればやるほど切実な問題になってきます。

しかし、谷ぐち順は「すきな事以外」もしゃーないものとして認め
「それもひっくるめて楽しめばいいや」という気楽なスタンスを見せています。

ここが羨ましい!!
「しれーっと」体現しています。

確かにそうなるまでにものすごい苦悩も沢山あったのだと思いますが
いわゆる「ありのままで」生きている強さが滲み出てる。


これは、20代や30代には出せない凄味なんじゃないかと、勝手に思っております。

まあ、YUKARIさんに向けられる目は厳しいかもしれない。
女性にはもっと強い「手放せ!!!」というメッセージが送られ続けるから。
途中で不安に押しつぶされそうな場面が出てきますが、、

まあ、慣れます(笑)
そして気にならなくなる。

大丈夫やで、案外味方のほうが世の中多かったりするから。
少なくとも、今日、橋ノ下舎に集まったみんなは全員があなたを肯定します。

ちなみに障がい者にもこれってあてはまるんよね。
「すきな事」や「やりたい事」をあきらめた方が幸せだと説く。
生活が大事でしょ?税金で暮らしてるのに「楽しみ」とか何言ってんの?

は?旅行??出来るわけないでしょ?

ね、似てるでしょ。

支援者や介助者ってその人が思うように出来るために支援したりヘルプしたりするんよね?
支援者が面倒だからとか介助者がよくわからないからって「やりたい気持ち」を取り上げることは
それって福祉なの?と思いますけどねー。

あ、ちょっと話がずれましたが、、

何もかもあきらめず大切にすることで「社会に生きるもの」としての感覚を持っている事が
このレーベルの息の長さと幅の広さだと言ってもいいと思う。

ライブを聞くとすんごい見せ方も上手な人だけど
トークを聞くとやっぱりジェネラリストだし、ホスピタリティが高いし。

ほんで、人としての垣根は低いw
ほんとに、人間的な魅力にひかれましたし、良い体験をしました。
ちなみにライブで歌っていた曲、耳からはなれない。


まだ、いろんなところで上映は続くようなので
機会があれば是非観て下さい!!

ちなみにこの日の夜は興奮しっぱなしで寝付けず、凍てつく夜中に「すき家」に出かけ
一人で牛丼の大盛りを食べました。
おしまい。

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