N.W.Aはアイスキューブが元いたグループぐらいの認識しかなかったし、
ドクタードレもプロデューサーになってからの方がよく知っているぐらいで、
観たい!というのはヒップホップは絶対に「爆音」で聞いた方が気持ちいい!
という安直な理由でStraight Outta Comptonを観に行く事に決めた。
もう一つは、Amazonでこの映画のブルーレイが常に上位で売れ続けていた事にも興味をそそられたから。
何かここには「ただミュージシャンの軌跡」を越えたものがあるのだろうと、そんな予感はしていた。
去年、元町映画館で観た「wildstyle」の舞台は1982年のサウスブロンクス。
そして、DVDで観た「8Mile」の舞台は1995年のデトロイト。
ちょうどその間を埋める1987年、ロサンゼルス郊外のコンプトンから物語は始まる。
冒頭から常に「黒人であること」それのみを理由に警官から不当な職務質問を受けるシーンが何度もあり
はっきり言って胸くそ悪い。
しかも警官の中には「黒人」も含まれている。持っているものと持っていないものではっきりと差が生まれる。
同じ黒人に脅されるケースは他にもある。
黒人ギャングがスクールバスを襲う。
そのギャングと同一視される「ただの市民である(はずの)黒人」…
やりきれない思いが渦巻き、
誰もが鬱憤を抱えていた。
しかし、これが「彼らの通ってきた日常」であり、N.W.A”ギャングスタ”を形成する元になっている。
これらを知らなければN.W.A.の歌詞がやばい!というだけで終わっていたかもしれない。
が、これを観ると本当にヤバイのはその当時の警察で
彼らはせめてもの反撃として「日頃思っていた事を言葉にした」だけなのだ。
言論の自由。
「権力に向け、よくぞ反撃をした!」
人々の思いはムーブメントになって彼らを後押しした。
しかし、ムーブメントが加速するほどN.W.Aは
その歌詞の過激さから「FBI」にマークされるようになる。
ライブでは暴動を煽ったとして逮捕されるが…
暴動を煽った?
ふざけんな!!と思う。
彼らはただ自分たちの身に起きたこと、そして見てきた事を言っているだけだ!!
この数年後に起きる「ロス暴動」
彼らは早くから警告していた。
誰でもない「警官」に向かって悔い改めるように。
でも「ファック・ザ・ポリス!!」じゃ届かなかったかwww
改めて考えてみるとその才能から言ってもN.W.Aはただものじゃなかったんだと気付く。
知性派のアイスキューブと
音楽バカのドレと
ビジネス的なセンスを持ったイージーイー
この3人が同時に居たグループなんて信じられない!!
当然、物語はこの三者を中心に展開していく。
商業的な成功者が辿る道は分裂。
N.W.Aも例外ではなく、最初にアイスキューブがソロとして離れていく。
そして鱗店主もこのころからアイスキューブのファン♪
今ほど情報の伝達も発達していなかったから雑誌のインタビューとCDだけで
メタルやパンクとはまた違った「うわー何だか悪そう!かっちょいい」という雰囲気に
がっつりとのめり込んだ一人です^^
今回の映画ではアイスキューブ役を実の息子さんが演じています。
どうりで似ているわけだ。
さて、日本での衝撃も大きかった「ロス暴動」
その背景は知れば知るほど理不尽。
今回この映画で、ぼんやりとしていた部分が鮮明になって
余計に怒りと落胆と憤りが巨大なやるせなさに包まれました。
そこから火がついたようにヒップホップシーンも荒れに荒れます。。
映画では結構簡略的に描かれているけど実際はビーフなんて可愛いもんですよ。
さすがにシュグ・ナイトの暴力には溜息が出ましたが、、
この辺りはビーフしまくった「アイスキューブ」がこの映画の企画者だと知って納得。
成功しても
どこかで彼らは「コンプトン」を生きている。
そう思うとStraight Outta Comptonという言葉が
ものすごく虚しく感じてしまう。
そんな中でも、
どっしりと音楽を作り続けたドクタードレ。
彼のプロデュースにより、様々なラッパー達は居場所を得ていく。
それだけじゃなくて、アイスキューブもイージーイーも本当は誰しもが
「まっすぐ」であった。
ようやくその事に気が付いたイージーイーは
マネージャーであったジェリー・ヘラーにより自分の利益が不当に搾取されていた事に気が付き
彼を解雇することでアイスキューブ、ドクタードレーと「和解」を始める。
このアイスキューブとの和解は実話なのかなぁ。
鱗店主はこの映画を企画したアイスキューブの叶わなかった夢なのではなかと思った。
このシーンを入れることで、イージーイーと自分は共に居る事を言いたかったのではないだろうか。
またドクタードレーもシュグナイトと決別し、独立した活動を始める。
いよいよ、N.W.Aの第2章を予感させたところで、
イージーイーのHIV感染が発覚する。
というか、日本では感染の発覚はほとんど伝えられていなくて
イージーイーがエイズ発症により死去という突然の訃報として伝わってきた。
それもそのはず
発覚してからわずか1か月でこの世を去った。
あっという間だ。
あまりにも
あまりにも痛々しい最後に涙がこぼれた。
どこか愛嬌があって憎めないイージーイー
誰よりも「まっすぐ」だったのは他ならぬ彼だったのだ。
だから、誰もが最後までイージーイーを憎むことはなかった。
誰もが平等でない街で持ち得た正義が言葉とリズムに乗って人々を掻き立てる。
みんなどこかで感じている事「鬱憤」をはっきりとした言葉で、社会にこれだけ中指を立てられるのは、彼らだけだったのでは?と思った。そしてその鬱憤は白人をもインスパイアしていく。
エミネムの「8Mile」はこれを観てから観るとさらに面白いかも。
なんて事も思った。
本当はこの後、
「極悪レミー」も当日券で観ようかと思っていたのですが
そんな気力は残っていませんでした。アハハ
帰りは何だか脱力して娘共々急に甘いものが欲しくなったのです^^
本当に本当にいい映画でした。
そして腰から下にズドーンと響く低音は「爆音映画祭」ならでは。
見込み通り、ヒップホップは「爆音」で観るべきですよ^^
そして今度は「極悪レミー」をやっぱり「爆音」で観たい!!と思っているのでした。
それではまたまた~。
ドクタードレもプロデューサーになってからの方がよく知っているぐらいで、
観たい!というのはヒップホップは絶対に「爆音」で聞いた方が気持ちいい!
という安直な理由でStraight Outta Comptonを観に行く事に決めた。
もう一つは、Amazonでこの映画のブルーレイが常に上位で売れ続けていた事にも興味をそそられたから。
何かここには「ただミュージシャンの軌跡」を越えたものがあるのだろうと、そんな予感はしていた。
去年、元町映画館で観た「wildstyle」の舞台は1982年のサウスブロンクス。
そして、DVDで観た「8Mile」の舞台は1995年のデトロイト。
ちょうどその間を埋める1987年、ロサンゼルス郊外のコンプトンから物語は始まる。
冒頭から常に「黒人であること」それのみを理由に警官から不当な職務質問を受けるシーンが何度もあり
はっきり言って胸くそ悪い。
しかも警官の中には「黒人」も含まれている。持っているものと持っていないものではっきりと差が生まれる。
同じ黒人に脅されるケースは他にもある。
黒人ギャングがスクールバスを襲う。
そのギャングと同一視される「ただの市民である(はずの)黒人」…
やりきれない思いが渦巻き、
誰もが鬱憤を抱えていた。
しかし、これが「彼らの通ってきた日常」であり、N.W.A”ギャングスタ”を形成する元になっている。
これらを知らなければN.W.A.の歌詞がやばい!というだけで終わっていたかもしれない。
が、これを観ると本当にヤバイのはその当時の警察で
彼らはせめてもの反撃として「日頃思っていた事を言葉にした」だけなのだ。
言論の自由。
「権力に向け、よくぞ反撃をした!」
人々の思いはムーブメントになって彼らを後押しした。
しかし、ムーブメントが加速するほどN.W.Aは
その歌詞の過激さから「FBI」にマークされるようになる。
ライブでは暴動を煽ったとして逮捕されるが…
暴動を煽った?
ふざけんな!!と思う。
彼らはただ自分たちの身に起きたこと、そして見てきた事を言っているだけだ!!
この数年後に起きる「ロス暴動」
彼らは早くから警告していた。
誰でもない「警官」に向かって悔い改めるように。
でも「ファック・ザ・ポリス!!」じゃ届かなかったかwww
改めて考えてみるとその才能から言ってもN.W.Aはただものじゃなかったんだと気付く。
知性派のアイスキューブと
音楽バカのドレと
ビジネス的なセンスを持ったイージーイー
この3人が同時に居たグループなんて信じられない!!
当然、物語はこの三者を中心に展開していく。
商業的な成功者が辿る道は分裂。
N.W.Aも例外ではなく、最初にアイスキューブがソロとして離れていく。
そして鱗店主もこのころからアイスキューブのファン♪
今ほど情報の伝達も発達していなかったから雑誌のインタビューとCDだけで
メタルやパンクとはまた違った「うわー何だか悪そう!かっちょいい」という雰囲気に
がっつりとのめり込んだ一人です^^
今回の映画ではアイスキューブ役を実の息子さんが演じています。
どうりで似ているわけだ。
さて、日本での衝撃も大きかった「ロス暴動」
その背景は知れば知るほど理不尽。
今回この映画で、ぼんやりとしていた部分が鮮明になって
余計に怒りと落胆と憤りが巨大なやるせなさに包まれました。
そこから火がついたようにヒップホップシーンも荒れに荒れます。。
映画では結構簡略的に描かれているけど実際はビーフなんて可愛いもんですよ。
さすがにシュグ・ナイトの暴力には溜息が出ましたが、、
この辺りはビーフしまくった「アイスキューブ」がこの映画の企画者だと知って納得。
成功しても
どこかで彼らは「コンプトン」を生きている。
そう思うとStraight Outta Comptonという言葉が
ものすごく虚しく感じてしまう。
そんな中でも、
どっしりと音楽を作り続けたドクタードレ。
彼のプロデュースにより、様々なラッパー達は居場所を得ていく。
それだけじゃなくて、アイスキューブもイージーイーも本当は誰しもが
「まっすぐ」であった。
ようやくその事に気が付いたイージーイーは
マネージャーであったジェリー・ヘラーにより自分の利益が不当に搾取されていた事に気が付き
彼を解雇することでアイスキューブ、ドクタードレーと「和解」を始める。
このアイスキューブとの和解は実話なのかなぁ。
鱗店主はこの映画を企画したアイスキューブの叶わなかった夢なのではなかと思った。
このシーンを入れることで、イージーイーと自分は共に居る事を言いたかったのではないだろうか。
またドクタードレーもシュグナイトと決別し、独立した活動を始める。
いよいよ、N.W.Aの第2章を予感させたところで、
イージーイーのHIV感染が発覚する。
というか、日本では感染の発覚はほとんど伝えられていなくて
イージーイーがエイズ発症により死去という突然の訃報として伝わってきた。
それもそのはず
発覚してからわずか1か月でこの世を去った。
あっという間だ。
あまりにも
あまりにも痛々しい最後に涙がこぼれた。
どこか愛嬌があって憎めないイージーイー
誰よりも「まっすぐ」だったのは他ならぬ彼だったのだ。
だから、誰もが最後までイージーイーを憎むことはなかった。
誰もが平等でない街で持ち得た正義が言葉とリズムに乗って人々を掻き立てる。
みんなどこかで感じている事「鬱憤」をはっきりとした言葉で、社会にこれだけ中指を立てられるのは、彼らだけだったのでは?と思った。そしてその鬱憤は白人をもインスパイアしていく。
エミネムの「8Mile」はこれを観てから観るとさらに面白いかも。
なんて事も思った。
本当はこの後、
「極悪レミー」も当日券で観ようかと思っていたのですが
そんな気力は残っていませんでした。アハハ
帰りは何だか脱力して娘共々急に甘いものが欲しくなったのです^^
本当に本当にいい映画でした。
そして腰から下にズドーンと響く低音は「爆音映画祭」ならでは。
見込み通り、ヒップホップは「爆音」で観るべきですよ^^
そして今度は「極悪レミー」をやっぱり「爆音」で観たい!!と思っているのでした。
それではまたまた~。
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