『太陽がいっぱい』 ニーノ・ロータのメロディーがアラン・ドロンとマッチさせる

太陽がいっぱい/Plein soleilはアラン・ドロン主演作品であり、ルネ・クレマンが監督を務めた1960年のフランス、イタリアの合同映画。
私がこの作品を知ったのは、テレビで放送されていたのを観てではなく、ニーノ・ロータの作曲したメロディーが
きっかけでした。
13年以上前に浅井健一率いるJUDEというロックバンドのオープニングSEで、この楽曲が流れ「何の曲だろう?」と疑問に思いながらセクシーストーンレコードにメールで問い合わせ返信があり、JUDEのオープニングSEは太陽がいっぱい/Plein soleilという映画でニーノ・ロータ作曲という内容でした。

それから、太陽がいっぱい/Plein soleilとは、どんな内容の映画なのか気になり両親に質問したこともありましたが
「アラン・ドロンが男前だった」としか言ってくれず、全然参考にならなかったことを覚えています。

ちょうどその時は大学1年で、高校時代からの親友が高校卒業と同時にフランスに留学したこともあり、その影響で、フランスに興味を持ち大学ではフランス語、フランス文学を選択履修していました。
太陽がいっぱい/Plein soleilがどんな映画なのかという興味はありましたが、どちらかというとニーノ・ロータが作曲したこの映画の楽曲を手に入れたい気持ちが強かったですが、太陽がいっぱい/Plein soleilのサウンドトラックは
売り切れということで、映像を観てどんな内容か頭に入れてみることに。
モーリス・ロネ演じるフィリップをアラン・ドロン演じるトムは多額の報酬を条件にアメリカに連れ戻すようフィリップの父に頼まれアメリカからフィリップの元にやって来たトムですが、フィリップはアメリカへ戻る様子はありません。
帰国してくれないと報酬が貰えないトムは困るばかり。フィリップはトムが金目当てであることを知っていますし、いつもトムのことを見下していて、フィリップに対して怒りを増すトム。
こんな奴を見ていたら本当に殺意が出るのは、仕方ないかもしれませんが、殺害してしまうほどトムはフィリップに対し怒り狂っていた感情が伝わります。


前半部分はヨットがメインですが、フィリップの恋人のマルジュを演じるヒロイン役のマリー・ラフォレが目に入った瞬間に主観的ですが「すごい美貌だ」そう思ってしまうほどの透明感ある美しさを感じてしまいました。
彼女がギターの弦を指で、鳴らしているシーンは今でも忘れられないですし、もう少し続けていてほしい気持ちもありました。

フィリップのせいで酷く日焼けをしたトムにも優しくしていましたが、怒り狂っている中、「マルジュのような美人が何でこんな奴といるんだ」という気にもなりフィリップから奪ってしまいたい気持ちも強く出るのは当然です。

私なら奪うことだけを考えますが殺害はしません!
マルジュがいないヨットの中、トムとフィリップはカードゲームで勝負をしている時、トムはフィリップを殺害して死体を海に捨てますが後からどんでん返しが・・・
フィリップの財産を根こそぎ奪ってやろうと計画するトムは、フィリップになりすましサインや目つきなども
練習して完璧と言えるほど。
偽の身分証明書が完成し、声色も真似してフィリップになりきり、ことが出来るなんて執念深いと言ったら良いのだろうか?でも、そうでないと彼の財産を横領してマルジュまでも手に入れることは出来ないかもしれません。
完全犯罪の成立。完璧な殺人。そんな雰囲気が・・・
後日、フィリップになりすましたトムは、フィリップの友人のフレディと顔を合わせますが、フレディはすぐにフィリップではないことを見破られてしまいトムはフレディを撲殺してしまい犯罪を重ねてしまいます。

ここで疑問というか都合が良いと思ったのは、マルジュにバレなかったことだと思います。


トムとしてマルジュを奪うために、フィリップが自殺したように見せかけマルジュにショックを与えたトムは、マルジュに上手いこと言って、トムとしてマルジュと結ばれハッピーエンドが近づく予感。
ラストが一番の名場面だと思います。
完全犯罪によって全てを手に入れたトムはビーチで「太陽がいっぱいで最高な気分」だと自分に酔いしれています。
一方、ヨットが陸に引き揚げられていてマルジュはそこで立ち会い腐食した人間の手のようなものが出て来てマルジュの悲鳴が・・・完全犯罪と思っていたのにまさかここで、どんでん返しが・・・

太陽がいっぱいの下でトムは幸せそう。
刑事が訪ねて来て、お手伝いさんらしき人にトムを呼ぶよう頼まれ、何だろうと思いながら電話だと言われ安心し、刑事がいることを知らず笑顔で歩いて行くトム・・・
ここでニーノ・ロータの音楽が大きくなり、これから逮捕されるようなラスト。
中途半端と感じられますが、この続きは観たくないし知りたくありません。

Writing By:店員A

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