グロテスクな苦悩、罪悪感を描きだしたフランス映画

1959年にフランス、イタリアで共同制作され
顔のない眼は、フランス語によるモノクロ作品。
ピエール・ブラッスール演じるジェネシュ博士は、
名医で、娘の顔を元通りにするために拉致をして
皮膚の移植しようとしますが、
法的にも倫理的にも不可能な話です。
博士は助手を使って女性を拉致し、
麻酔で眠らせてメスで顔面の皮膚を切り取り、
クリスティーヌ(エディット・スコブ)の顔に移植をします。

元の顔をクリスティーヌですが
一瞬だけの喜びで皮膚か崩れ落ち
グロテスクで気持ち悪い画になっていきます。
罰が当たったのかもしれません。
しかも、拉致をしているので、
当然、捜索願を出されています。

こんな医者、逮捕されたらいいと思いますが、
親心で娘の顔を元の戻すことで頭がいっぱいだったのか
取り返しのつかないことに気付いても遅いですし、
これからジェネシュ先生がどうなっていくのか
楽しみだという目線でも楽しめます。
極端に頭の良いインテリの考えは、
思想も極端だと思いませんか?

学生運動、日本赤軍などもそうですが、
オウム事件で逮捕された人の
ほとんどがインテリ過ぎるインテリです。
最近だとSEALDsが記憶に残っています。
この組織のリーダー各の男は、左翼思想なのに
朝日新聞ではなく産経新聞に入社希望だったことを
知っている人は、彼に対して
「バカも休み休み言え」と思った人は多かったことでしょう。
戦争は良くないですし、平和が一番ですよ。
でも、あいつら「私達は戦争で命を落としたくない」とか
主張していましたが、
あんたらが軍隊に来たら
足手まといだし、参加しないでと政府は言いたかったと思います。
そういう言い方を政府が彼らにしたら
彼らはどういう反応をしたのか見たかったです(笑)
日本赤軍だって、共産主義にするために革命だとか言いながら
人を殺めていました。
オウム事件は、自分達の理想でテロ行為をして
親は人殺しさせるために大学入れたのではないのに・・・
しかも理系エリートばかり。

顔のない眼のジェネシュ先生も理系エリートになりますね(苦笑)
考えが突っ走って助手に拉致させて
勝手に皮膚を剥がし取られた被害者の気持ちよりも
自分の子が大事なのは仕方ないと言えば
それで終わりかもしれませんが、
自分のことを客観的に見ることが出来ない
愚か者の医者です。
高名な医者ではなく迷医です。

ストーリー的なことよりも
モノクロで表現された
グロテスクな場面は強烈でインパクトが強いですし、
移植手術をするシーンも不気味・・・
人間の顔を仮面のように扱うジェネシュ先生という
登場人物がいるからこそ
グロテスクに仕上がったのでしょう。

writing by:店員A

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