『ゴンドラ』 今まで観た感動作の映画で一番良かった!

伊藤智生監督(本名:伊藤裕一)の30年前の映画作品が、リバイバル上映されることになったのは、今年に入って知りました。
伊藤智生という映画監督は誰?
そう思う方が多いと思われますが、あっちのビデオの監督として大活躍しているTOHJIRO監督のことです!

大阪シネ・ヌーヴォという映画館に4月29日にゴンドラを観に行き伊藤智生監督と女優・朝岡実嶺のトークイベントも行われました。
上映中、最初の方は古臭い画だと思っていましたが、30年前の映画だから当り前。
風景がとても美しく撮れており、人間の表情を豊かに撮れている。
不機嫌な表情をした少女かがり(上村佳子)と青森から両親に仕送りするために
ゴンドラに乗って高層ビルの窓掃除をする青年・良(堺健太)。
かがりの母(木内みどり)は、全く子育てをしている雰囲気が伝わらず、
育児放棄をしているようにしか思えなかった。
良の父は、毎日酒を飲み酔っ払い家族に迷惑ばかり掛け、取っ組み合いの親子喧嘩の回想シーンがあった。
あれはどう見てもアルコール依存症です。
少女と青年の共通点は機能不全家族。

私の父は、酒癖が悪く飲んでは挑発的な口調で、盆、正月に入ると誰か喧嘩を売りいつも誰かに迷惑を掛けていた。父が酒を飲み挑発的な口調で、私は怒りを覚え取っ組み合いになるほどの喧嘩に発展したことをあの回想シーンが出た時、涙が出そうになったが、必死に堪えた時は時間が止まったかのようだった。
今でもあの回想シーンを思い出すと重たいものがある。


ゴンドラのパンフレット開くと一番最初に
ゴンドラからの手紙が書いてあって、
生きることについてどういうことか書いてあった。
私にとってこの手紙は感動する内容であったが、どうしても重たすぎる・・・
伊藤智生監督が舞台あいさつの時、格差社会について話をしていましたが、本当にその通りだと思うばかり。
現代は便利な世の中ですが、雇用は非正規ばかり・・・
スーパーに行くとセルフレジがあって、お店側もお客側も便利で、それだけ世の中が進化しているということですが、そう考えるとスーパーではレジ打ちが不要となり雇用される人が減るということです。
求人募集を見ると、たまに信じられない案件を目することが多々。
応募資格に「実務経験3年以上」と書いてあるのに待遇は時給1000円のアルバイトだったのです。
「◯◯経験者を優遇します」は「◯◯経験者しか採用しません」を意味していることになる。
上記のことは話には出ませんでしたが、トークイベントでの話を聞くと「本当の豊かさ」とは何なのだろう?
そう考えさせられた瞬間でもありました。
ゴンドラから話は脱線しましたが、
感動作、名作、心に響く映画なので劇場へGO!

上映終了後、オフ会があって伊藤智生監督、朝岡実嶺と一緒に近くの中華料理屋で、クセのある人たちとワイワイ楽しくやってました。本当に充実した一日でした。

しかし、後悔したことが一つだけ・・・
伊藤智生監督に青年がアル中の父と取っ組み合いの喧嘩をしている回想シーンを観た時の気持ちを伝えることが出来ず、しょーもない話ばかりしてしまったことです。
なぜなら、伊藤智生監督は男は強くないといけないという考えが強いらしく甘えるのはダメだという言葉を聞いたからです。
本当に一番伝えたい私の想いでした。

Writing by:店員A

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