「終わった人」 マイホームを持ち正規雇用として定年退職出来ることは幸せなことです!

6月9日に公開された「終わった人」を観ました。
終わった人は定年にフォーカスをあてている作品で、主演の舘ひろしが定年退職して暇な毎日を送る生活です。正直、私は贅沢な内容だなと思いました。出世コースから外れてもそのまま正規雇用で定年まで会社勤め出来るだけ今の時代だとマシというか有難いことです。私の世代なら正規雇用のまま定年出来る人は、団塊の世代と呼ばれる人達よりも激減します。毎日、暇とか家に居場所がないとかで人生終わったみたいな表情を舘ひろしがしてましたが、何て贅沢な悩みだと思ったのと同時に妻役の黒木瞳は正規雇用のまま定年というゴールを向えることが出来たんだからもっと優しくしてやれよという想いになってしまい、人の悩みって上を見ても下を見てもキリがないと思わされましたよ。

今の政治は遠回しに「年金を出さないから死ぬまで働け」ということにしか思えません。つまり認知症になっても働かないといけないということです。医学が進歩して寿命が延びるのはいいことかもしれませんが、生きるのと生かされるのは意味が違います!
正規雇用でも副業で稼がないといけない時代に何で団塊の世代の贅沢な悩みの映画なんて観たんだと後悔しましたが、定年前の人から「若い人は未来がある」と言ってたのを思い出しました。私は未来に希望なんて持っていませんし、野党も与党も信用していません!東京オリンピックのボランティアに参加する大学生も増えるでしょうが、東京オリンピックを盛り上げたいという気持ちではなく就職活動のためのアピールとして参加するとしか思えません。
「終わった人」の舘ひろしが定年して暇な人が東京オリンピックのボランティアに参加するのはいいと思いますが、就職活動のために参加するというのは、心の底から東京オリンピックを盛り上げたい人に対して失礼だと思いますね!

「終わった人」の舘ひろしは、出世コースから外れてもマイホームも購入して定年というゴールを向かえましたが、正規雇用のまま定年だったので邪魔者扱いされるシーンは心が痛みました。マイホームまで購入して正規雇用のまま定年したんだから、もっと優しくしてやれよという気持ちでした。もし、これが私の世代だったら年金を貰いながらアルバイトをしていることでしょう。もしかしたら年金支給額が今よりも激減してアルバイトが終わって帰宅すると1つ作って5銭とかの内職で小銭稼ぎをしているかもしれません。考え方を変えて「終わった人」を観ると、これが私の世代の夢かもしれません。スケールが小さい夢かもしれませんが、マイホームを持って正規雇用のまま定年というゴールを向かえて家にいるというのは、本当に素敵なことです!

私の父は今年定年ですが、人手不足だから会社にしばらくいることになりました。65過ぎて夜中にトラックで長距離を運転するのは辛いと言っていました。しかし、もうすぐ孫が生まれるので頑張れるそうですが、その楽しみがなかったら廃人みたいな顔になって酒浸りになっていたかもしれません。
仕事人間だった人が定年になると何をしていいか判らず、朝から酒を飲んでアルコール依存症になるケースもあれば、ずっと真面目に仕事だけの人生で定年になったとたんパチンコ狂いになる人もいます。そういう人を少なくするためにも東京オリンピックのボランティアではなく安い日当を払ってでも義務付けるといいかもしれませんね!
正規雇用のまま定年退職をして、非正規雇用を悪くいう人も多くいるのが日本という国です。好きで非正規雇用をやってるのではなく、こんな世の中だから非正規雇用が増えてます!
それなら正規雇用になりたたい非正規雇用のために団塊の世代の人達は何かしてくれるというのですか?そういう疑問が多々あります。

今の日本社会は新卒で就職できないと終わった人という扱いを受けます。面接を思い出すと「終わった人」のような人生を目指していたから面接で本当はどんな会社か理解してないのに「御社が第一志望です」と嘘をついて、次の日は、別の企業で似たようなことを言ってたのかもしれません・・・
日本という国は「終わった人」のような定年後の人生が、今の若い世代もそうなるというふうに思っている人が多いでしょう!しかし、それは限られた人だけです。「終わった人」のような舘ひろしみたいな人生を歩みたければ、これからの日本では文武両道で容姿端麗の人間でも難しいでしょう!悲しいですが、これから日本の弱肉強食化はもっと進み、弱者を助けてくれる時代はもうすぐ終わります。重度の統合失調症でも障害者年金の審査が通らない、国民年金削減、介護予算削減など弱肉強食化が進んでいるので、「終わった人」のような定年後の人生は、私の世代では「夢・幻」としか思えません!
定年後の前に今の社会をどう生き残るか真剣に考えさせられた作品でした。

writing by:店員A

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